かいぶんしょおきば

怪文書を適当に投げ捨てておくところ

ふうせんらんこ

朝いつもどおりに事務所に来たら、蘭子ちゃんが宙に浮いてた。何を言っているか分からねーと思うが(ry)でもまぁ蘭子ちゃんは魔王軍ごっこできてご満悦だし、それに便乗して飛鳥凛ありすあたりの蒼の系譜(アイオライト・ブルー)までなんかそっちの世界に入って行っちゃって楽しそうだからまぁいいかなって放置してたんだよね。で、ごっこ遊びもひと段落して、みんな疲れたし休憩がてらお茶にしようかってなったんだけど、ここで蘭子ちゃんに異変が起きたの。まぁ浮いてる時点で異変しかないんだけど。うちの蘭子ちゃんは飛鳥くんのことがそれはもう大好きで、基本的に事務所にいるときは常に飛鳥くんの隣の席に陣取って、飛鳥くんが暑苦しくないか心配になるレベルでベタベタしてるんだけど、今日は飛鳥くんの隣に来ないのね。浮いてるって言っても別に降りてくること自体はできるだろうからなんでなんだろうなって思ってたんだけど、実は地に足をつけて立ったり、物体に触れて座ることができなくなってたらしいんだよね。早い話が地上にあるものに触れられない状態ってわけ。だから、飛鳥くんにくっつきたくてもくっつけなくてすごくもどかしそうにしてるのよ。飛鳥くんも蘭子ちゃんとのスキンシップは昼夜問わず受け入れる体勢なもんだから、空中でもがいてる蘭子ちゃんの方を見てすごい心配そうにしてるんだけど、触れられないから2人の間の距離は絶対に0にならない。そのうち、どうしても飛鳥くんに指一本すら触れられないことがつらくて、蘭子ちゃんが泣き出しちゃうのね。それを見た飛鳥くんも、慰めたくて抱きしめようとするんだけど、こちらからも触れられないからどうすることもできない無力感に苛まれてしまって、事務所全体が暗い雰囲気になっちゃったの。

そんな時、エスパー(自称)のユッコと霊能力が使える小梅ちゃんが自分の部署の部屋だと間違えてうちの部屋に入ってきて、蘭子ちゃんを見るなり呪文を唱え始めたんだけど、何をしてるか僕たちには全くわからない。何をしてるのか聞こうとすると、珍しく小梅ちゃんが「今邪魔しないで!」ってすごい剣幕で怒るのね。よっぽどマズイ状況なんだなって思ったみんなは黙ってその儀式を見ることにした。3分後くらいに呪文の詠唱が終わったんだけど、詠唱終了と同時に蘭子ちゃんは地に足をつけることができるようになったの。ようやく飛鳥くんに触れられるということが嬉しくて、蘭子ちゃんはついいつもより愛情表現が激しくなっちゃって、飛鳥くんに抱きついて飛鳥くんにキスの雨を降らせてるのね。飛鳥くんもキスされること自体は抵抗はないし、飛鳥くん自身も蘭子とスキンシップを取れなくて欲求不満だったんだけど、流石に周りでみんなが見てる状況でキスできるほどの強靭なハートは持ち合わせてないからめっちゃ顔真っ赤にしてるの。そんないちゃいちゃを真昼間から見せつけられたせいで周りのアイドルたちもアテられちゃって、トライアドと*はレズり始めるし、僕と美波もサカり始めるしでありすちゃんが止めてくれなかったらヤバかった。クールタチバナすごい。

後から小梅ちゃんに聞いた話なんだけど、蘭子ちゃんに悪霊が取り憑いてて、あのまま放っておくとそのままあの世まで連れて行かれるところだったらしい。危なかった。小梅ちゃんのお祓いに圧倒的感謝。

ちなみにユッコの呪文には特に意味はなかったそうです。